健康コラム
在宅診療って、最期まで家で過ごす人のための医療ですか?(院長コラム第6回)
健康コラム
Column
院長の山本です。医療にまつわることに関して、ざっくばらんに皆様の疑問にQ&A形式でお答えしていこうかなと思っています。
A:確かに、在宅診療という言葉から「自宅で看取りを行う医療」というイメージを持たれる方も少なくありません。しかし実際の在宅診療は、それだけを目的とした医療ではありません。むしろ、通院が難しくなった患者さんの生活を支える医療として重要な役割を担っています。
在宅診療とは、通院が難しくなった患者さんのご自宅や施設に医師が定期的に訪問し、診察や治療、健康管理を行う医療です。高齢になると、足腰の衰えや認知症、複数の慢性疾患などにより、病院へ通うこと自体が大きな負担になることがあります。そのような場合に、住み慣れた場所で医療を受けることができる在宅診療は、患者さんやご家族にとって大きな安心につながります。
在宅診療では、心不全や呼吸器疾患などの慢性疾患の管理、認知症の症状のコントロール、退院後の体調管理など、日常生活の中で医療が必要となるさまざまな場面に対応します。医療が生活の場に入り、患者さんの暮らしを支えることが在宅医療の大きな役割です。
私たちの病院でも在宅診療を行っていますが、病院が行う在宅医療には一つ大きな特徴があります。それは、入院医療と連携できることです。在宅診療を受けている患者さんでも、肺炎や心不全、脱水などにより体調が急に悪化することがあります。そのような場合には、必要に応じて入院治療につなげることができます。そして状態が落ち着けば、再び自宅での生活に戻ることも可能です。
つまり医療は「在宅か入院か」という二者択一ではなく、患者さんの状態に応じて在宅と入院を行き来できることが大切です。体調が安定しているときには自宅で生活し、医療が必要になれば入院で支える。そして再び生活の場へ戻る。このように切れ目なく医療を提供することが、これからの地域医療ではますます重要になっていきます。 次回は、「在宅診療とはどのような医療なのでしょうか?」をテーマに、在宅診療の具体的な内容についてもう少し詳しくお話ししたいと思います。
藍野病院 院長 山本 直宗