健康コラム

帯状疱疹ワクチンについて(院長コラム第3回)

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帯状疱疹ワクチンについて(院長コラム第3回)

藍野病院院長の山本です。ここでは様々な側面から近年増加している、ご高齢の患者さんについてざっくばらんに皆さんの直面する問題にQ&A形式でお答えしていこうかなと思っています。


Q:先日、帯状疱疹ワクチンの定期接種の案内がきましたが受けたほうが良いですか?

A:この質問も最近、外来でよく聞かれるようになりました。これは2025年4月に帯状疱疹ワクチンが発症や重症化を防ぐために国の推奨する定期接種となり葉書きの案内が対象者の皆さんのお手元に届いたからだと思います。

2025年度は65歳から5歳ごとの方が対象になります。定期接種による公費負担は一度きりなので、対象の方は、この機会に接種頂ければ公費負担を受けることができます。

もし、今回接種されなかった場合でも公費負担がないだけで、50歳以上の方はご自身の希望でもちろん受けられますし、自治体によっては費用助成が行われているところもあります。

帯状疱疹は、水痘ウイルスの再活性化で発症し、病期は「前駆期」「急性期」「慢性期」に分かれます。前駆期は神経痛様の痛みが出現、急性期は発疹と水疱が帯状に現れ約23週間持続、慢性期では帯状疱疹後神経痛(PNH)として痛みが残ることがあります。

帯状疱疹ワクチンにはシングリックス(不活化ワクチン)と生ワクチン(弱毒化)があります。シングリックスは2回接種で高い予防効果があり、免疫低下者にも使用可能です。一方、生ワクチンは1回接種で済みますが、免疫抑制状態では使えません。そして、値段はシングリックスの方が高いと両者メリット・デメリットがあるため基礎疾患(高血圧・糖尿病・関節リウマチ・腎不全・悪性リンパ腫・がんなど)を鑑みながら適応のある方は接種を推奨いたします。

当院でも予防医療センターで接種を行っていますので、ご希望の方は主治医にご相談の上、窓口でお尋ねいただければ幸いです。

藍野病院 院長 山本 直宗