精神科

老年心身医療センターのご紹介

当院では、<真に地域に貢献する病院とはどういうものか?>ということを医師をはじめ職員が模索しています。 認知症があって入院しても、時に精神科医のフォローを受けながら一般病棟で身体治療を受けられる方も大勢います。 精神症状があり一般病棟で治療が難しい方でも認知症の患者さん対応の病棟で精神治療を受けながら、 内科・外科・整形外科を含む全科の治療を受けることが可能となっています。

外来部門としては、物忘れ外来があり、ここでは精神科医が早期診断・早期治療を目標に介護者の話にも耳を傾けるために 完全予約制で対応しております。早期診断の意義は認知症にも治療可能なものがあり、また進行するものでも進行を遅らせる薬も出来ているからです。 早期治療の意義は、治療を早期から行い患者・介護者に適切なアドバイスを行うことで精神症状が出ることを防ぐことも出来るからです。

また、認知症の予防から終末期まで切れ目のない医療を実現するために、かかりつけ医の先生方と連携するシステムを構築しています。 今後は、なるべく在宅で介護したいという家族の希望にも、かかりつけ医の先生方と協力して応えていきたいと考えています。

老年心身医療センター 副センター長 園田薫

リエゾン医療センターのご紹介

当院は、昭和40年に、精神科病院として創設されました。昭和50年に身体科が加わってから、身体疾患を合併した精神科患者さんを受け入れ、身体面、精神面の総合的加療を行ってきました。

リエゾン医療センターの機能としては
①精神科合併症病棟(男子病棟・女子病棟の2病棟合わせて99床)での、身体・精神面の加療
②一般科病棟(7病棟369床)での、コンサルテーション・リエゾン活動
の2本柱となっています。

北摂地域の精神科病院を中心に、近畿一円の精神病院から、身体合併症で入院加療を必要とする患者さんを受け入れ、身体疾患が改善した時点で、元の病院に戻ってもらうというシステムで運営しています。精神症状のため、一般の病院では受け入れ困難な患者さんを対象として、合併症病院(閉鎖病棟)で拝見しています。
私たち精神科医は、身体科の先生方とチームを組んで、身体疾患の治療が円滑に進むよう、治療に当たってきました。治療チームを構成するナースは、身体面、精神面の両方について研鑽を積んでおり、「心と身体のエキスパート」として活躍しています。理学療法士・作業療法士・言語療法士も活躍しています。チームとして、日々、より良い医療を目指しています。

当センターでの精神科治療の特徴は、次の2点です。
①身体面を考慮した「治療」が可能となる。
身体症状のみならず、精神症状の改善も可能となり、患者さんとご家族、並びに紹介頂いた医療機関のみなさんが満足されています。
統合失調症にて加療中に誤嚥性肺炎を繰り返し、悪性症候群も合併。経鼻経管栄養、気管切開下の状態で、胃瘻造設も検討を希望するとのことで当院に転院。向精神薬の見直しにより軽快し、経口摂取、気管孔閉鎖も可能となり、退院できた患者さん。
乳癌再発、脳梗塞後遺症にて、不穏のため身体加療が出来ないとして当院に紹介。向精神薬の見直しにより安定し、化学療法も可能となり、退院できた患者さん。
統合失調症にて加療中に間質性肺炎に罹患。叫声、自己抜針もあるため当院に紹介。肺炎治療と並行して向精神薬の見直しを行い、入院前より精神症状の改善が得られた患者さん。

②身体面を考慮した「診断」が可能となる。
痙攣発作と精神症状のため脳外科を受診。異常の指摘無く、「解離性障害」として精神科病院に入院。肺炎を合併したとして当院に紹介。入院後、抗NMDA受容体脳炎が判明した患者さん。パニック障害にて加療中に、右側不全麻痺、歩行障害を呈し、神経内科を受診するも異常なしとされ、「転換神経症」として精神科病院に入院。便失禁、褥瘡が加わり、当院に紹介。皮質基底核変性症が判明した患者さん。
双極性感情障害にて加療中に、肺炎、心房細動を来し、内科病院、精神科病院を経て、当院受診。甲状腺機能亢進症が判明し、救命できた患者さん。
認知症、うつ病と疑われて当院に紹介。低血糖せん妄を見出し、救命できた患者さん。

以上は、数多くの患者さんのうちの、ほんの一部です。日々の臨床の中で、当センターの役割の大切さを実感しています。精神科の先生方を初めとして、多くの方々が、この医療に参加され、活躍されることを期待してします。

リエゾン医療センター センター長 石井博