精神科|診療のご案内|医療法人 恒昭会 藍野病院

精神科

 当院は、昭和40年に精神科病院として発足し、昭和50年に内科、外科、整形外科などの身体科病床が併設されました。精神疾患のある人も専門的な身体治療を受けられる場としての先駆的役割を担うこととなり、今日に至っています。
 現在、当院の精神科は、441床の認知症対象病床(老年心身医療部門)と、147床の身体合併症対象病床(リエゾン医療部門)から構成されており、いずれも都道府県連携拠点機能を担っています。
 また、当院あるいは他院の身体科で治療中に、認知症を初めとした精神症状を示した患者さんの精神面の治療に携わり、身体治療が円滑に進むよう対応しています。

老年心身医療部門

 当院では、<真に地域に貢献する病院とはどういうものか?>ということを医師をはじめ職員が模索しています。認知症があって入院しても、時に精神科医のフォローを受けながら一般病棟で身体治療を受けられる方も大勢います。精神症状があり、一般病棟で治療が難しい方でも、認知症の患者さん対応の病棟で精神治療を受けながら、内科、外科、整形外科を含む全科の治療を受けることが可能となっています。

 外来部門としては、もの忘れ外来があり、精神科医と神経内科医が緊密な連携の下、共同で運営しており、両方の視点から対応することが可能となっています。早期診断・早期治療を目標に、介護者の話にも耳を傾けるために完全予約制で対応しております。認知症にも治療可能なものがあること、認知症の進行を遅らすことができること、患者・介護者に適切なアドバイスを行うことで精神症状の出現を予防できることなどから、早期診断・早期治療が大切です。

 また、認知症の予防から終末期まで切れ目のない医療を実現するために、かかりつけ医の先生方と連携するシステムを構築しています。今後は、なるべく在宅で介護したいという御家族の希望にもかかりつけ医の先生方と協力して応えていきたいと考えています。

リエゾン医療部門

 リエゾン医療部門では、北摂地域の精神科病院を中心に、近畿一円の精神科病院から、身体合併症で入院加療を必要とする患者さんを受け入れ、身体疾患が改善した時点で、元の病院に戻ってもらっています。また、精神症状のため、一般の病院では受け入れ困難な患者さんも受け入れています。私たち精神科医は、身体科の先生方とチームを組んで、身体疾患の治療が円滑に進むよう、治療に当たってきました。治療チームを構成するナースは、身体面、精神面の両方について研鑽を積んでおり、「心と身体のエキスパート」として活躍しています。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士も心身両面から患者さんを支えています。臨床心理士・管理栄養士・精神保健福祉士も、専門性を生かして活躍しています。チームとして、日々、より良い医療を目指しています。

リエゾン医療部門での精神科治療の特徴は、次の2点です。

①身体面を考慮した「治療」が可能となる

  • 統合失調症にて加療中に誤嚥性肺炎を繰り返し、悪性症候群も合併。経鼻経管栄養、気管切開下の状態で胃瘻造設も検討を希望するとのことで当院に転院。
    向精神薬の見直しにより軽快し、経口摂取、気管孔閉鎖も可能となり、退院できた患者さん。
  • 乳癌再発、脳梗塞後遺症にて、不穏のため身体加療が出来ないとして当院に紹介。
    向精神薬の見直しにより安定し、化学療法も可能となり、退院できた患者さん。
  • 統合失調症にて加療中に間質性肺炎に罹患。叫声、自己抜針もあるため当院に紹介。
    肺炎の治療と並行して向精神薬の見直しを行い、入院前より精神症状の改善が得られた患者さん。

②身体面を考慮した「診断」が可能となる

  • 痙攣発作と精神症状のため脳外科を受診。異常の指摘無く、「解離性障害」として精神科病院に入院。肺炎を合併したとして当院に紹介。
    抗NMDA受容体脳炎が判明した患者さん。
  • パニック障害にて加療中に、右側不全麻痺、歩行障害を呈し、神経内科を受診するも異常なしとされ、「転換神経症」として精神科病院に入院。便失禁、褥瘡が加わり、当院に紹介。
    皮質基底核変性症が判明した患者さん。
  • 双極性感情障害にて加療中に、肺炎、心房細動を来し、内科病院、精神科病院を経て、当院受診。
    甲状腺機能亢進症が判明し、救命できた患者さん。

以上は、数多くの患者さんのうちの、ほんの一部です。

 日々の臨床の中で、当院の役割の大切さを実感しています。精神科の先生方を初めとして、多くの方々が、この医療に参加され、活躍されることを期待しています。

精神科部長 石井 博