耳鼻咽喉科で扱う病気は、頭部と頸部のかなり広い範囲に及んでいます。頭部では、鼻、副鼻腔、咽頭、扁桃(昔は扁桃腺といっていましたが、分泌作用はないので今は扁桃といいます)、口腔、唾液腺、顔面(外傷や顔面神経麻痺など)、頸部では喉頭、甲状腺、リンパ節(昔はリンパ腺、扁桃と同じ理由です)などを対象にしています。首から上で、頭蓋骨、脳、眼、歯、頸椎以外の部位といってよいと思います。
次に、耳鼻咽喉科が扱う働きとしては、まず言葉や音を聴く、反射的に体のバランスをとる、においや味を感じるといった感覚器の働きがあります。また、呼吸器の入口にある鼻は、吸い込んだ空気を体温まで温め、充分な湿度を与え、塵を取り除いて肺に送ります。最後に、日常生活を快適に過ごすための重要な働きとして、声を出したり、会話をしたり、歌ったり、食物をむせずに飲み込んだりすることが挙げられます。
疾患としては、花粉症を含むアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(明らかな蓄膿症は少なくなっていますが)、咽喉頭(のど)の炎症が多いことはどこでも同じようです。一方、当院は高齢の患者さんが多いので、難聴やめまい、慢性中耳炎が多い反面、小児の急性中耳炎や滲出性中耳炎が少ないことも特色でしょう。長生きすると聴覚は次第に衰えますが、有効な薬がないため補聴器が重要です。高価なものでも難聴のタイプに合わない補聴器はうまく使えないため、相談に応じています。しかし、難聴の中には治療によって治るものもかなりありますので、早く受診されることをお勧めします。
現在は、医師2名のほか大阪医科大学の医師2名で診療をしています。平日(月曜から金曜)の午前と水曜と金曜の午後に診療を行っています。受付時間は9:00~11:00、13:00~16:00です。
当科で行っている特別な治療は三つあります。
①まずめまいの診断、治療が挙げられます。めまいは内耳の半規管(三半規管ともいわれます)から起こるものが多いのは確かですが、患者さんのめまいは多様なので、常に脳や全身から起こるものにも注意を払っています。めまいのうち多いものとして良性発作性頭位眩暈症という、主に寝床で頭を動かすと30秒くらいの強い回転性めまいが起こる疾患があります。仕組みの分かっていないめまいが多いのですが、このタイプだけは、眼球の回り方から原因となっている半規管を探して、短期間で直す治療を行っています。かなりの方が翌日からめまいがなくなります。(担当者:野村)
②鼻づまりのひどい場合に、レーザーで鼻粘膜を焼く手術がありますが、それとほぼ同じ効果を上げる方法として、特殊な薬品で粘膜を焼く治療を行っており、簡便でよい効果が得られます。鼻の粘膜に麻酔薬を塗ってから行いますが、痛みも出血もなく、鼻の中の詰め物も不要です。ただし炎症が取れて鼻づまりがよくなるのに2週間位はかかります。(担当者:野村)
③高齢者の方が多いので、リハビリテーション科と協力し、嚥下障害(食事が飲み込めない、むせるなど)の患者さんに対して、嚥下造影検査(VF)や、場合によっては嚥下内視鏡検査(VE)を行い、嚥下機能の評価をしています。その結果によって、嚥下リハビリテーションの計画を立てたり、嚥下の方法を工夫することが可能となります。(担当者:合田)
当院は病院と診療所の連携を推進し、地域に密着した基幹病院の耳鼻咽喉科としての役割を果たすように努めています。
当科には専任の常勤医師がいないため、手術が必要な方は大阪医科大学耳鼻咽喉科に紹介しており、術後の治療が必要な場合は当科に通院していただくことが多くなっています。もちろん患者さんのご希望の病院があれば、その病院に紹介しています。手術は慢性中耳炎、慢性副鼻腔炎、頭頸部の腫瘍が主な対象になります。なお、当院には放射線の診断装置が揃っており、あまりお待たせしないで撮影できます。
医師 野村公寿
医師 合田 薫













