骨粗鬆症外来

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)はすでにマスコミに大きく取り上げられており、よく知られた病名となっています。 しかしその実態はなかなか分かりづらく、医療関係者の間でもよく誤解されています。

単なる骨の老化ではなく、骨の代謝に異常が生じて、骨の量が少なくなったり、質が悪くなったりして、骨折しやすくなった状態を骨粗鬆症といいます。

骨粗鬆症による骨折は脆弱性骨折といわれ、脊椎、大腿骨近位部、上腕骨、前腕骨、骨盤、肋骨などが好発部位です。 特に脊椎や大腿骨近位部(頸部)の骨折は寝たきりになりやすく、介護が必要な大きな原因となっています。 これらの骨折を引き起こす骨粗鬆症は高齢者のみでなく若い人、女性のみでなく男性にも起こる病気です。

骨粗鬆症患者は全国で現在約1300万人といわれています。そのほとんどは原因のはっきりわからない原発性骨粗鬆症で主に60歳以上の高齢の方が罹患します。 原因のわかっている骨粗鬆症も最近は注目されております。特に生活習慣に伴う骨粗鬆症が注目されており、運動不足による骨粗鬆症や糖尿病などの メタボリック症候群に伴う骨粗鬆症などが話題となっております。ステロイドホルモンや胃薬、ビタミン剤など多くの薬剤の使用に伴う骨粗鬆症も注目されるようになりました。

従来、骨粗鬆症は老化に伴う病気なので、治療する方法がないと諦められ、放置されていました。 しかし、最近骨の代謝に直接作用して骨の量を増やし、質を改善させる多くの薬剤が開発され、治療可能な病気として認識されるようになりました。 しっかりと治療を行うことにより、骨密度を10%近く増加させることが可能となり、毎年骨折をしていた患者さんが骨折をしなくなり、 旅行や趣味に人生の後半を楽しむことができるようになりました。

骨粗鬆症は従来の「老化によるあきらめなければいけない病気」から、「予防や治療が可能で希望の持てる疾患」へと変身してきたと言えます。

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骨粗鬆症外来

藍野病院ではこのたび、骨粗鬆症を早期に発見、診断して、予防や治療を一貫して行う骨粗鬆症外来を設置することになりました。 骨粗鬆症外来では、精度の高い骨密度測定機(DXA QDR4500)を用いて、精密に骨密度を測定、評価します。また骨代謝異常を検出するために、 積極的に骨代謝マーカーの測定を行い、骨密度の状態と骨代謝マーカーの状態から総合的に骨粗鬆症を診断して、もっとも適した治療を実施します。 骨粗鬆症を改善するためには、4,5年間薬物療法を継続する必要があります。患者様のデーターベースを作成して、 長期にわたり定期的な診察と投薬を継続していくことを目的としています。

測定項目

問診項目  初潮年齢  閉経年齢  過去の骨折の既往  病気の既往  運動歴  食生活
過去の最大身長
身体計測  身長  体重  膝高  BMI  血圧
診察 運動能力  歩行能力(Time up & go test)  バランス能力(開眼片脚起立テスト)
膝、股関節機能チェック  脊椎チェック  前弯・側彎・円背評価  各種アンケート
X線評価 腰椎・胸椎X線撮影
骨密度評価 DXA(腰椎・大腿骨)
血液生化学検査 血液生化学一般(血清タンパク、肝機能、腎機能)  ミネラル(カルシウム、リン)
血液一般
骨代謝マーカー BAP(骨型アルカリフォスファターゼ)骨形成マーカー
TRAP-5b(酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ)骨吸収マーカー

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生活指導

体操療法、運動療法と食事療法が最も基本となります。体操療法および運動療法については理学療法室より定期的に 運動の指導や体操の指導を行い、口頭だけでなく実際の指導をいたします。特に転倒予防が最も重要となるので、 片脚起立訓練(フラミンゴ体操)を積極的に取り入れています。カルシウム食を中心とし、タンパクに重点を置いた食事療法も重要です。

薬物療法

骨密度の増加と骨質の改善が骨粗鬆症治療において最も求められます。当院ではビタミンD、カルシウム代謝障害に対しては 活性型ビタミンD製剤、カルシウム製剤を用いています。骨吸収亢進型の骨粗鬆症に対してはビスフォスフォネート、SERM製剤を用いています。 骨形成低下型の骨粗鬆症にはPTHホルモン(テリパラチド)、ビタミンKを用いています。これらの薬剤は患者さんの骨粗鬆症の状態を 十分に評価して、もっとも適した薬剤を選択して投与を行っています。

継続治療

骨粗鬆症治療においてもっとも重要なことは、治療の継続です。基本的には、3か月に一度薬剤を処方すると同時に病状のチェック、 副作用のチェックを行っています。また骨密度の評価は6か月に一度、血液生化学検査は6か月に一度の施行が望ましいです。 骨代謝マーカーは必要に応じて1年に一度チェックします。骨粗鬆症の治療においては治療の継続のために、 患者さんと一緒に骨密度の改善や検査データーの改善を共に確認し合いながら行うことが重要である。 最近の薬剤は骨密度がほぼ正常まで回復することが知られるようになりました。以前のように生涯治療を続ける必要はなく、 正常に復帰すれば休薬して経過を見ることが可能となってきています。

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診察について

息切れがする、背中が痛い、腰が痛い等の症状がある人、また次に該当する人は一度骨粗鬆症外来を受診することをお勧めいたします。 骨は特に遺伝の影響を受けますので、自分の家族や親戚に大腿骨近位部骨折(大腿骨頸部骨折)の手術を受けられたことのある人、 男の人で胃潰瘍など胃の手術を受けたことのある人、女性では生理が早く終わった人、ステロイドを含め多くの薬剤を服用している人は 骨粗鬆症になる可能性が高くなります。受診をして正確に自分の骨を評価することをお勧めいたします。



当院では毎週土曜日(午前)整形外来にて骨粗鬆症外来を行っています。

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