医療法人 恒昭会 藍野病院 基本理念:病める人々を医やすばかりでなく、慰めるために



認知症に、とことん取り組んでみたいと考えている先生を

募集しています

募集要項

当藍野病院老年心身医療センター認知症の予防から最期まで、患者と家族により良く生きてもらえることを目標として、次の4つの理念の下に、認知症疾患患者の治療にあたっています

4つの理念

脳>:認知症は障害を抱えて生きるこ(病気によっては進行・変化する障害)である

その障害の内容を脳の機能からきちんと分析することによって、その苦しみやつらさを可能な限り正確に理解し、支援する方法を考えていくこと。

<身体>:認知症は全身疾患である。

脳の機能と身体状態は、互いに影響しあうという事を充分に理解し、担当する医師自身が常にそのような視点を持つだけではなく、他科との連携をしっかりと持ちながら関わっていくこと。

<生活>:認知症は生活場面で現れる症状である。

障害が環境によってどのように症状となるのかをよく理解し、生活場面でのかかわりをサポートしていくこと。

<介護者>:認知症の方は介護者なしに良い生活を営むことができない

介護者と患者相互のQOLの改善を治療目的とし、常に介護者のかかえる問題に関わっていくこと。

〜予防から最期まで〜

当センターは、現在次のような活動を行っております。


1.予防活動

近隣の一つの市に協力し、その市の或る地域のグループの予防活動のサポートを、認知症キャラバンを支援しながら行っています。今後徐々にこのような地域のグループを増やすことで、各地域に合った予防に有効な活動を模索しようと考えています。

2.早期発見

他の近隣の市と協力し、スウェーデンの大学のグループと共同で、認知症疾患の早期発見(認知症の早期発見では遅すぎる)の地域ネットワークづくりを行っています。認知症の発見ではなく、より正確な認知症疾患を認知症が発現する前に発見していくことが予防の意味でも重要なことだと考えるからです。

3.治療

私たちは検査と診断だけして、あとはかかりつけ医や地域のケアスタッフに任せ、BPSDが現れたときだけ治療するというような、認知症専門機関とは言えないような医療機関を目指してはいません。正確に認知症疾患を診断することやBPSDの治療は、専門機関としては当然のことですが、それと同じくらい重視していることがあります。それは、患者・介護者、更には地域のかかりつけ医・ケアスタッフに対して、より良いケアを行うための専門的なアドバイスを継続的に提供していくことです。患者の情報を皆が互いに共有し連携を保ちながら継続的な治療・ケアを実施していく、それをバックアップすることこそ認知症専門機関に求められるものだと考えています。

 具体的には以下の治療活動をしています。


  

〈外来〉
@ 物忘れ外来

・全身機能の評価、神経学的評価、神経心理学的評価、画像評価(MRIはDTIとVSRADを含む、SPECTは近隣の大学病院に依頼)を行い毎週カンファレンスでディスカッションして正確な診断を行っています。

・診断後、認知症状のコントロールのための薬物治療、行動神経学的介護アドバイスや地域ケ    アスタッフとの連携による介護サポート協力を行っています。

・介護者の負担感の軽減のためのカウンセリングを行っています。  

A介護者外来

通常の物忘れ外来の対応のみでは解決しない問題をかかえる介護者で、希望される方に対して  認知症疾患や認知症を良く理解しかつカウンセリング技術を持つスタッフが、介護者カウンセリングを行っています。

B治験外来

塩酸ドネペジルが効かない、または使えない患者に対しても、さまざまな新しい治験薬を紹介し、希望の方には試みることで、患者・家族はあきらめずに治療を継続されています。

C患者家族の集い

物忘れ外来に通院中の家族の方同士が集える場を作っています。西宮で熱心な活動をしていら  っしゃるグループとの連携を深めていく事を計画しています。地域を広げ連携を強めることで  より多くの方たちを受け入れるべく計画しています。

 〈入院〉
@短期治療入院

在宅や施設と連携しながら入院による機能低下を最大限防ぐべく、様々なセラピー(ダイバージョナルセラピー、園芸療法、記憶引き出し訓練など)を行いつつ、BPSD治療後のQOL改善を目指しています。
 

A身体合併症を有するかたの入院治療

認知症は全身疾患です。身体合併症を治療することは認知症の治療の中で重要な位置を占めています。当病院は、他科の医療スタッフが認知症状を有する患者さんを良く理解しているので、主治医と連携してより良い治療ができます。また、身体治療の経験の少ない精神科医でも希望があれば、各科の医師の指導のもとに救急やプライマリーケアの技術を獲得することが可能です。

B進行性認知症疾患のより良い終末期医療の確立

進行性の認知症疾患の末期の患者さんたちが、現在良い状態で終末期・死を迎えているとは思えません。私たちはそれを改善して行きたいと考えています。そのためにはまず、進行性認知症疾患の倫理的問題についての理解を深めていく必要があります。現在は非常に不十分な形でしかできていませんが、理解のある内科医と協力しながら、より良い終末期医療を確立すべく努力しています。また、在宅で終末期を迎えることの病院・診療所・介護者との連携の確立に取り組み始めています。 

C病棟の機能別再編

認知症は原因疾患により、また病期・病態により必要な治療・ケアは異なります。
患者の入院治療の目的も様々です。精神症状の改善が必要な方、合併症治療が優先の方、リハ  ビリにしても身体的なリハビリか、精神的なリハビリなのか、病期でも、初期の治療か末期な  のか。
私たちは今、病棟を患者の状態に合わせて機能別に、より専門化することに取り組んでいます。
認知症と言うことで一つの病棟に入院、ということではなく、患者が<今、何が問題なのか>  という視点で、よりオーダーメードに近い医療を目指しています。病棟を専門化することは、  患者の利益になるばかりではなく、働くスタッフのやりがいにも繋がると考えます。この病棟  の機能別専門化は、認知症対象の病棟を幾つも持つ当院だから可能なことだと自負しています。
 
4.研究 

臨床だけでなく、研究も重視しています。、VSRADより早期の、脳の萎縮前の診断を目指してDTI画像を用いた研究や、早期に認知症疾患を発見するための神経心理テストのバッテリーの研究を臨床心理科と共同で行っています。更に、認知症疾患ごと、または病期ごとのケアの研究を看護科とともに行っています。症例によっては、死後解剖も積極的にすすめています。

 以上のような様々な活動を通じて        

・認知症を予防・早期発見できる環境
・認知症になっても安心して暮らしていける環境


 これらの環境を、地域住民、ケアスタッフ、かかりつけ医とともに作っていけるような病院を
 目指しています。

私たちは、しかし、今このような活動を実施していくうえで大きな問題に直面しています。一緒にこのような活動を実施していく医師がまだまだ足りないことです。私たちの考えを理解していただき、このような活動をともに担っていく方を求めています。

ぜひ、私たちに会いに来てください。
                        
                        副院長
                        老年心身医療センター センター長    岸川 雄介

                         お問い合わせはこちら